KOO-KI TOPICS - 生成AIはコスト削減ツールじゃない!?制作現場が語る「拡張」と「判断力」 <ケイシャのしゃべり場 #192>

生成AIはコスト削減ツールじゃない!?制作現場が語る「拡張」と「判断力」 <ケイシャのしゃべり場 #192>

「生成AIを使えば、映像制作は爆速で低コストなんでしょ?」
そんなイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。

しかし、実際にCM制作の現場で生成AIを使っているクリエイター達の感覚は、少し違ってるようです。
企画の初動ではたしかにAIは強力なパートナー。しかし、目指したい映像を作るには結局、経験や判断力が重要なんだとか⁉️

今回は、KOO-KIの企業Podcast「ケイシャのしゃべり場」 #192 より、ディレクター木綿達史とプロデューサー前畠慎悟が語った、生成AIのリアルな使い方を抜粋してご紹介します。

🎙️KOO-KIの企業Podcast「ケイシャのしゃべり場」
映像制作会社KOO-KIの山内香里、泥谷清美、原山大輝がMCを務める雑談番組。毎回個性豊かな社内外のゲストを迎え、隔週で配信しています。
今回は2026年1月9日配信の「生成AI回-前篇-」#192 をもとにお届けします。(2025年12月12日収録)

AI回<前篇>を音声でお聴きになりたい方はSpotifyよりどうぞ👇(今回初めてビデオPodcastで配信してみました!)

ゲスト:D.木綿達史 × P.前畠慎悟(聞き手:山内/ヒージャー/原山)


生成AIに対するクライアントさんの反応は?

木綿D:
AIに対して「なんとなく怖い」「まだ慣れていない」と感じる人は、やっぱり多いと思う
んですよ。ただ一方で、提案する初期段階では、もう生成AIはかなり自然に使われ始めている気もしていて。

前畠P:
以前は参考動画を見せながら少しずつ方向性を固めていくことが多かったんですが、AIを使うと、最初のイメージをもっとダイレクトに見せられる。時間短縮の面でかなり助けられています。

MC泥谷:
クライアントさんとクリエイターの意思疎通がしやすくなる、ということですね。

前畠P:
まさにそうです。クリエイティブに慣れていない相手にも、イメージを共有しやすい。AIは“通訳”みたいな役割をしてくれるんです。

 

生成AIを使うデメリットは?むしろディレクション能力が試される?

MC泥谷:
逆に、最初から具体的すぎることで困ることはないんですか?

木綿D:
それはあると思います。ただ、その前にひとつ言っておきたいのは、僕らがAIで“さらっと”出しているように見えるのって、これまで積み上げてきた経験や引き出しがあるから出せている。
もちろん、同じ言葉を入れれば同じものは出ますよ。でも、出てきたものを見て「ここを直そう」と判断できるかどうかなんです。

MC山内D:
結構ディレクション能力が試される
なと思いますね。そもそも自分の中に完成イメージがないと、言語化できないですもんね。

木綿D:
人に頼むか、AIに頼むかの違いなので、頼み方が下手だと、いいものは上がってこない。
さらに、企画段階でAIを使うもう一つのデメリットは、まだ思考が十分に深まっていない段階で具体的なビジュアルを出してしまうと、早い段階で企画が握られてしまう危険性があることです。
具体的に見せられること自体は強みなんですけど、逆にそれが可能性を閉じてしまうこともある


▶︎AIで“70〜80点”は出せる。だからこそ、最後の20〜30点が差になる。

MC原山AD:
AIって、70点〜80点くらいのものはパッと出せてしまうんですよね。でも大事なのは、その先の20点、30点をどう詰めていくかだと思うんです。

木綿D:
実はそこがすごく大きいんですよね。本当に良いものの違いって、その残りの点数をちゃんと埋められたかどうかだと思うので。

MC山内D:
結局大事なのは企画だよね、ってなっていきそうな感じはありますよね。

木綿D:
絵が綺麗なだけで勝負できる時代ではなくなってきてる、という感覚はかなりありますね。

前畠P:
本当にそうで、企画の段階でも、どんどん“本質で勝負する時代”になってきたと感じています。だから、見た目重視でいくなら相当突き抜けていないと刺さりにくい。

 

▶︎“ちょっと直して”が難しい。AI制作は意外とガチャっぽい

MC泥谷:
生成AIでその最後の20点、30点を詰めるのって、やっぱり大変なんですか?

木綿D:
めちゃくちゃ大変です。特に“ちょっと変える”のが意外と難しいんですよね。

前畠P:
僕はお客さんに、よく“ガチャ”で例えることがあります。
もちろんコントロールはするんですが、運の要素がゼロではない。

木綿D:
ひとつのカットでハマると、3〜4時間かかることは普通にあります。スタートやラストの絵は指定できても、途中がうまくいかないことが多くて、結局いくつもパターンを出して、編集で組み合わせる、みたいなややこしい作業になっていくんですよね。

 

生成AI制作の価格設定はどうしてる?

MC原山AD:
クライアントさんに生成AI制作を提案するとき、予算の考え方も大事ですよね。“生成AIはタダで、すぐできる”と思われがちなので。

前畠P:
そこは難しいところですが、生成AIに限らず映像制作費の大半は人件費なんです。
ただ一方で、本来なら数千万単位かかる表現を、生成AIでコストダウンできるのも事実。だから「生成AIだから安い」ではなく、どの工程を生成AIで時間短縮できるのか、見極めが大事なんですよね。

木綿D:
ちゃんと目指す表現があるなら、そこには演出や判断のコストも含めて考える必要がある。
AIは予算の都合で届かなかった表現を狙うために使った方がいいと思っています。

 

▶︎何をつくるかが見えていないと、AIはむしろコスパが悪くなる。

MC泥谷:
KOO-KI社内で生成AIのサービスは、どれくらい使用してるのでしょうか?

前畠P:
僕は基本はChatGPTと、勉強用にSora2も触っています。プロデューサーとして、AIの得意不得意を把握していないと、予算やスケジュールの話ができなくなるので。

木綿D
以前はツールごとに個別契約してましたが、今は複数のモデルをまとめて使えるポータル型のサービスを利用しています。軽く使う月は数千円レベルで、案件で本格的に回す月は数万円の上位プランに上げてます。商用利用OKのプランとか、解像度の制限とか、いろんな条件があるので、本格的に使うとなると、複数のAIツールを横断するので、1人あたり総額月10万円近くかかるケースもあります。

前畠P:
結局、ゴールが見えていないまま大量にプランを契約しても、費用の無駄になるんですよね。
僕はもともと演出部出身なので、ディレクターがどういう絵をつくりたいのか、ある程度感覚が分かるというのも強みですね。

木綿D:
ちなみにKOO-KIは、もともとCGもずっとやってきている会社なので、みんな比較的早い段階からAIを触ってる方だと思います。

 

AIの台頭。でも、実写やCGはなくならない⁉️

木綿D:
KOO-KIのCGチームも(作品に応じて)AIを取り入れてますが、だからといってCGの仕事がなくなるわけではない。
ディレクターの仕事がなくならないのと一緒で、やっぱり分かっている人が前提にいて、その上でどう導入するか、なんですよね。実写でいうと、人を撮る仕事は、少なくとも今すぐなくならないだろうなと思っています。お芝居って、その場で演者さんとやり取りしながら、細かく演出していくことが多い。でもAI相手だと、それがやっぱりうまくいかないんですよね。

MC山内D:
やっぱ人間が感じ取れる情報量ってすごいんだなって思いますよね。

(後篇に続きます↗︎)



 

PodcastならAI回<前篇>を、もっと深くリアルに!お楽しみ頂けます🔥Spotifyよりどうぞ👇


ゲスト:D.木綿達史 × P.前畠慎悟(聞き手:山内/ヒージャー/原山)

(▶️ 2年半前のAI回、ケイシャのしゃべり場 #88〜#91 はコチラ 🎧)


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