KOO-KI TOPICS - 【登壇レポート】学校教材「難聴者の困りごとなんなん?」中高生の特別講座にKOO-KI白川東一登壇!

【登壇レポート】学校教材「難聴者の困りごとなんなん?」中高生の特別講座にKOO-KI白川東一登壇!

「手話言語の国際デー」である2025年9月23日、KOO-KI Director白川 東一が手がけた学校教材「難聴者の困りごとなんなん?」が公開されました。
(本教材は以下の動画を含め、全7本で構成されています。全7本ご覧になりたい方はコチラ。)




本教材は、
学校現場で福祉教育の課題とされてきた
⚫️「先生が難聴をどう伝えればいいのかわからない」
⚫️「授業づくりの工夫が、先生一人ひとりの負担になっている」

といった声に応えるべく、
手話エンターテイメント発信団oioiさん(以下、oioiさん)が企画・立ち上げたクラウドファンディングをきっかけに誕生し、
教育とエンタメを融合した、全国初の学校教材なんです!




そんな中、2025年12月20日。
大阪を拠点に活動するoioiさんが、完成映像を使った「手話ワークショップ」を福岡で開催しました。

しかも今回は、映像を手がけた白川 東一本人も登壇し、oioiさんとのトークセッションが実現!


これは見逃せない!
ということで、KOO-KI広報担当のヒージャー、張り切って潜入してきました🏃‍♂️💨

KOO-KIの作った映像が、学校教材としてどのように実際使われているのか!ひいき目なしでしっかりレポートしますよ〜🔥

 

 

①映像教材を使ったワークショップ



会場は学校法人中村学園 中村学園女子中学校・中村学園女子高等学校のアクティブラーニング教室。

一般的な教室のイメージとは異なり、とても広々とした空間で、当日は約60名の参加者が集まりました。

参加者の中心は、こちらの学校に通う女子中高生たち。思春期真っ只中の彼女たちが、手話ワークショップにどう反応するのか注目です👀

パフォーマーとサポートメンバー



この日
のパフォーマーは2名。
生まれつき耳がきこえない・きこえにくい立場で活動されている 、
のぶさん、りょーじさん
(写真一番右の青いTシャツが のぶさんで、黄色いTシャツが りょーじさんです。)

お二人はoioi を率いている主要メンバーで、「難聴者の困りごとなんなん?」を企画された張本人でもあります。

また、今回のイベント実現に向けて尽力された、一般社団法人言葉のかけはし・一般社団法人日本デフ陸上競技協会 広報の河原美幸さんも司会として参加。
(写真左から2番目が、河原さんです。)

河原さんは白川東一が過去に手がけた難聴がわかるアニメ「なんちょうなんなん」 の企画メンバーのひとり。

「なんちょうなんなん」は「難聴者の困りごとなんなん?」が生まれるきっかけであったり、キャラクターを共通化するなど、二つの作品に連動感を出す事にも快く賛同いただくなど、本教材でも多大な協力をいただきました。

さらに、oioiの広報・通訳・撮影を一手に担う、めろんさん。
(写真の一番左、黒いTシャツがめろんさんです。) 
きこえる立場として、oioiさんを支える、欠かせない存在です。

オープニングではこの4名で、本教材が生まれた背景や、授業の目的をお話しされました。

映像 × ワークシートで“気づき”を引き出す授業


ワークショップ冒頭で上映されたのが、こちら👇の「難聴者の きこえ方なんなん?」。

難聴者のきこえ方を、視覚・聴覚の両面から直感的に理解できるように作られたアニメーションです。
(正直、私自身も「こういう風にきこえてたの⁉︎」 と初めて腹落ちしたくらいです。)

ここで、ケーススタディに入る前に、「難聴者」といってもきこえ方は人それぞれ!ということを、しっかり認識してもらいます。

続いて「難聴者の 困りごとなんなん?」を上映。
このシリーズは全部で6つのケースがあり、この日は「授業編」を上映しました。


授業中に起こりがちな難聴者の困りごとがクイズ形式で提示され、生徒達は映像に散りばめられたヒントを頼りに、ワークシートへ自分なりの気づきを書き込んでいきます。


書き終えたあとは、みんなの前で発表!
はにかみながらも積極的に手を挙げる姿が見受けられました。

なお、映像の中で「答え」は提示されません。

「教えられる」のではなく、
考えて、話し合って、楽しみながら正解に近づいていく

そんな、自然と心に残る“エデュテインメント”という授業設計が、とても印象に残りました。

ちなみに今回使用された
◯映像教材
◯授業マニュアル
◯ワークシート
は、すべて無料配布されています‼️

oioiさんの 公式サイトからどなたでもダウンロード可能です。
学校はもちろん企業研修や地域活動などでも活用できそうなので、お気軽にどうぞ♪

 

②KOO-KI白川東一×oioiさんのトークセッション

ワークショップ第2部で、いよいよ 白川 東一 が登壇!

自身の作品を紹介するムービーで一気に会場の心を掴みつつ、制作の舞台裏が語られました。(写真右が白川東一です。)


映像教材を作るきっかけになった「なんちょうなんなん」も上映され、白川東一に依頼された経緯や、どんなやり取りを経て完成に至ったのか、たっぷりと語られました。

ここからは、トークセッションの中でも印象的だったエピソードをいくつか紹介させていただきます。

 

「当事者じゃない人が作る難しさ」
by KOO-KI 白川東一

難聴当事者じゃない自分が、このテーマを扱うことへの不安。それでも、oioiさんが自分たちの思いをきちんと言葉にして伝えてくれたからこそ、うまく形にできたと語ります。

象徴的だったのが「タイムアップ!」の音。

当初は「ピー!」という高い笛の音でしたが、「高音はきこえにくい」という気づきから、「ドドン!」という太鼓の音へ変更。

これはoioiのめろんさんが、「もしかして、のぶさんとりょーじさんにはこの高い音がきこえてないかも?」と気づいてくれたから、音を変更できたんだそうです。

一人ひとりを思いやる小さな気づきと、それを遠慮せず正しく伝え合える関係性があったからこそ、誰にとっても届く表現が生まれたんですね!


「白川さんの演出で、実際きこえやすくなって驚いた!」
by oioi のぶさん

「感音難聴」のナレーション収録の時に「母音をはっきり発音するよう意識してください」というディレクションにより、実際にきこえやすさが変わったことに驚いたそう。
のぶさんは、日常こういったことを意識して発声していなかったので、特に驚いたんだそうです。

難聴者と健聴者、お互いが気づきにくい領域を、一つひとつ確認しながら作り上げていった様子が伝わってきました。

ここで!突然ですが
\ナレーション収録の様子もご紹介!/

「感音難聴」のシーンで流れる『おはようー!』という声。
実はこの声、KOO-KI CGデザイナー大窪 真悟の娘さん(りんちゃん)にご協力いただいて収録しました🎙️

ナレーション初体験のりんちゃんは、最初とても緊張した様子でしたが、パパと一緒に収録ブースに入れたおかげか、本番はばっちり決めてくれました!

奥の収録ブースでりんちゃんの声を収録している間、手前のMAルーム中央で指示を出しているのが白川東一です。そして一番左には、今回ディレクターとして参加したKOO-KI 奥村 拓弥の姿も。
(この日のMAスタジオはU2さんです。)

実はこの収録、oioiののぶさん、りょーじさんとは対面ではなく、Zoomでつなぎながら音の細かなニュアンスを一つひとつ確認。画面越しでも、妥協なしの“音づくり”が進んでいきました。

この「感音難聴」を説明するシーンでは、音がぼやけてきこえる感覚を、イラストや音で表現しています。
『おはよー!』の声に雑音を重ねるというアイディアは、この時oioiさんからの提案でした。

健聴者だけでは想像しきれない感覚だからこそ、難聴者の方の協力が欠かせません。そして同時に、その繊細な感覚を共有するには信頼関係も不可欠。今回の収録を通して、oioiさんとKOO-KIの良好な関係性が垣間見えました。

 

「引き算をしたアニメーションで、細かい表現が難しかった」
by KOO-KI 白川東一

続いて白川が苦戦したというのが、繊細なニュアンス表現が求められるシーンでのアニメーション。
本作は「なんちょうなんなん」で使った引き算されたキャラクターデザインを踏襲するという狙いがあったため、その限られた表現の中で、感情や空気感を伝えるアニメーションに、とても苦労したそうです。

中でも、7本の映像の中でoioiさんが特に伝えたかったのが、ケーススタディ② 「グループワーク編」。

「実は、グループワークが大嫌いだ!」と名言するりょーじさん。
グループワークに限らず、昼休みや給食の時間など、さまざまな音が同時に飛び交う場面では、複数の声をうまくきき分けることが難しいのだそうです。

補聴器を付けていても、みんなが同時に話すと、「何を言ったのか」判別できず、意見を求められても答えられない。そんな困りごとが本当に多いんだそうです。

oioiさんの熱い思いを、この引き算されたアニメーションでどう表現するのか。その難しさこそが、白川が特に悩んだポイントだったそうです。


【反響】「配慮しながら話してくれる子どもたちが増えた!」
by oioi りょーじさん

先日、3年生の授業で本映像を使った際のエピソードも伺いました。

小学校では、3・4年生から福祉教育が始まることが多いそうです。oioiさんが学校で授業をする際は、子どもたちとより自然にコミュニケーションを取るために、授業後の給食の時間も一緒に過ごさせてもらう事が多いのだとか。

そんな給食中、とても印象的な出来事があったそうです。

oioiさん達に話しかけに来てくれた子どもたちが、
◯口の中のものを飲み込んでから話す 
◯同時に話さず、順番に話しかける 
といった行動を、意識的に取ってくれたとのこと!

映像教材が、子どもたちの行動に変化をもたらした!
そんなエピソードは微笑ましく、とても印象的でした。

ちなみにこの映像教材、難聴の子どもたちは“答え(難聴者の困りごと)”を見つけるのが驚くほど早いそうです。

考えてみれば当たり前のことかもしれません。
しかしそれは、この教材が“当事者の日常”をリアルに切り取れている証拠。
当時者にとっても共感度の高い教材になってるんだな、と感じられるエピソードでした。

 

③第3部は手話ワークショップ!

ラストはいよいよ、oioiさんの代名詞とも呼べる、手話とお笑いを掛け合わせたような生パフォーマンスです!基本的な手話表現を楽しく学べる手話ワークショップです。

写真中央に注目…。「私はあなたにラブ❤️」?

…どんな手話を教えとんね〜ん‼️

と突っ込みたくなるかもしれませんが、一見難しそうな手話もoioiさんの手にかかると、ひとつのエンターテイメントとして楽しく身についてしまうから驚きます。

実際にどんな手話が学べるかは、ここでは割愛します!
そのかわり、前回私が参加したoioiさんのワークショップの模様をコチラにご紹介しておきますね😆

oioiさんの生パフォーマンスぜひ生で観てみたい!という方は、全国各地で開催されているので、oioiさんの公式サイトをぜひチェックしてみてくださいね!



最後に

『きこえる人ときこえない人の間にある心のバリアを壊す』ことをミッションに掲げるoioiさん。
KOO-KIは、そのミッションの実現に向けて、映像教材という形でお手伝いさせていただきました。

そして、改めてお伝えさせてください!

今回のワークショップで使った教材はすべて無料で配布されています。
詳しくはoioi 公式サイトからダウンロードいただけます♪

今回のワークショップを体験して、健聴者の私でもこの動画の助けがあれば、正しく難聴者の困りごとを伝える事ができそうだなと実感しました!

身近に難聴者の方と一緒に行動する機会のある方々は、ぜひともこの動画を活用してみてくださいね!

きこえる人も、きこえないも。一緒に、素敵な世界を広げていきましょう♪

 

<関連リンク>
「【学校教材】難聴者の困りごとなんなん?」KOO-KI WORKS
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